20

10月

2017

自我変容

(Je)(est) 一個(un)他者(autre) なのです

この一文句を書いたのは、 詩人アルテュール(Arthur)()ランボー(Rimbaud)です。
「フランス的思考」という本の中、井石洋二郎氏がある解釈を提供しています。

« Je » est un autre

という一文である。

ランボー(Rimbaud) は続けて
木材がヴァイオリンになったとしてもしかたのないことです
と述べているので、
この文は第一義的には
自分はもはやこれまでの自分ではない、自分はまったくの別人として生まれ変わった

という意味に解釈できるが、それだけのことであるならば、ここは通常の文法に従って « Je suis un autre » といえば済むところであろう。


しかし、彼は « Je » という主語に « est » という三人称単数形の動詞を接続させることで、あえて「私」を対象化してみせたのであり、このことの意味を (とう)(かん)() するわけにはいかない。

この発想は明らかに、デカルト的な近代自我を根源的な問い直しに付すものである。

というのも、
(Je)(est) 一個(un)他者(autre) なのです

から。


引用:
井石洋二郎、「フランス的思考

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